2008年6月28日土曜日

Creating an iPhone Applicationその3

Creating an iPhone Application
http://developer.apple.com/iphone/gettingstarted/docs/creatingiphoneapps.action

"Creating an iPhone Applicationその2"のメモの続きです。他のメモと同様に翻訳じゃないのでたくさん抜けていますし、たくさん間違っているハズですが、原文を読むときの参考にはなると思います。

■ Drawing the Welcome Button
UIKitが提供している標準的なViewは単純な内容であれば変更なしに表示できて、イメージならUIImageView、文字列ならUILabelが使えます。アプリケーションMoveMeだと、UIViewオブジェクトのbackgroundColorプロパティで背景色を初期化メソッドで描画しています。backgroundColorプロパティはInterface BuilderでnibファイルMoveMeView.xib内のMoveMeViewを作るときにInspectorウィンドウのAttributeタブで設定しています。複雑な背景が必要なときにはUIKitの棒が機能か、QuartzやOpenGL ESを利用できます。

アプリケーションMoveMeのPlacardViewクラスはWelcomeボタンの描画とスクリーン上の位置管理をします。PlacardViewクラスはすべてのプロセスを紹介するために、あえて前述のUIImageViewやUILabelを使わずに描画しています。描画はPlacardView.mファイル内のdrawRect:メソッドで行われています。

drawRect:メソッドが呼び出された時点で、描画のための環境は利用可能になっていますので、必要な描画命令を発効するだけです。PlacardViewクラスの描画内容はPlacard.pngで描かれたバックグランドとテキストで、テキストは逐次変更することが出来ます・・・とここでPlacard.pngの描画が気になって調べてみると、PlacardView.mファイル内でinitメソッドでPlacard.pngイメージ ファイルを読み込み、placardImageオブジェクトに入れてdrawRect内でdorawATPointメソッドで位置を指定して描画していて、確かに描画の手順が詳しく分かるようになっています・・・解説文に戻ると、処理の手順が示されています。

1.現在のView座標0にボタンの背景イメージを描画しています。この時にViewの大きさはイメージに合うようになっていて、ボタン全体が描画されています。

2.ボタンの中央に来るようにWelcom文字列の位置を計算します。この文字列はさまざまに変わるので、毎回計算しなくてはなりません。

3.描画色を黒に設定します。([[UIColor blackColor] set]のことを言っているのであろうが、この行をコメントアウトしても結果は変わりません。おそらく初期値が黒なのでしょう)

4.文字列をずらせて描画

5.描画色を白に設定します。

4.文字列を描画します。

Listing 4では、placardImageメンバ変数がボタン背景の入ったUIImageオブジェクトを保持し、currentDisplayStringメンバ変数が文字列の入ったNSStringオブジェクトを保持しています。イメージを描画した後で、文字列の位置を計算しtextSizeメンバ変数にいれます。文字列は陰を付けるために黒と白で二回描画されています。描画はNSStringのメソッドで行なわれています。

前述のように複雑な描画をするときにはQuartzかOpenGL ESが利用できますが、QuartzはUIKitと共にベクトル パス、イメージ、PDFなどを描画できます。QuartzとUIKitは同じ描画環境ですので、drawRect:メソッドから呼び出せます。

OpenGL ESは2Dや3Dの描画ができますが、drawRect:メソッドは利用できません。ViewはOpenGL ESの表面描画に利用されます。表面描画に利用するオブジェクトの選択や描画頻度は自由に決められます。

詳細は"iPhone OS Programming Guide"の"Graphics and Drawing"の項目を見ろと書かれています。

■ Handling Touch Events
マルチタッチ インタフェースの処理ですが、とうぜん既存のマウス処理とは異なります。2番目以降の指が触れる度にタッチ イベントが発行されます。また、画面にふれているそれぞれの指が移動しても、指が画面から離れてもタッチ イベントが発行されます。

一本の指で操作後にもう一本の指が追加されることは想定しておらず、この単純化でジェスチャを識別しやすくしています。システムはswipesなどの共通のジェスチャを識別する方法を手今日していますが、独自に複雑なジェスチャ識別をさせることもできます。新しいタッチイベントが生成されたときに、各指がタッチしているか、離れたかなどの情報も提供されます。これにより、新しいタッチイベントが発生する度に、各指の動きを追跡できます。Figure 4に示すようなピンチ クローズやピンチ オープンのジェスチャのイベントが発生すると、Viewがサポートしている拡大縮小としてズームのレベルを変更できます。

システムはUIResponderクラスをインスタンスしたオブジェクトにイベントを配信します。アプリケーションMoveMeでは二つのViewクラスを利用していますが、MoveMeViewクラスがイベントを処理します。このクラスはタップがWelcomeボタンの内側で発生したのか外で発生したのかの識別をUIResponderのメソッドをオーバライドすることで実現しています。

単純にするためにアプリケーションMoveMeでは最初にタッチした指だけを追跡します。UIViewクラスが初期値でマルチタッチ イベントOFFの状態であることを利用しています。マルチタッチ イベントがOFFだと、システムは最初にタッチした指が生成するイベントのみを配信します。マルチタッチのイベントが必要な場合にはUIViewクラスのsetMultipleTouchEnabled:メソッドを利用します。

イベント処理の一貫として、MoveMeViewクラスは以下の手順を踏みます。

1.最初のタッチイベントが届くと、発生した場所を調べます。
 ・ボタン外でのダブルタップ - 文字列の変更
 ・ボタン内でのシングルタップ - ボタンの中央を指の下に移動し、ボタンを拡大してアニメーションを初期化
 ・他のタッチは無視

2.ボタン内をタッチしている指が移動すると、新しい位置にボタンの位置を変更します。

3.ボタン内をタッチしている指が離れるとボタンを中央に戻すアニメーションを始めます。

Listing 5ではMoveMeView.mファイル内のMoveMeView用touchesBegan:withEventメソッドを示しています。touchesBegan:withEventメソッドはUIResponder.hで宣言されています。指が最初にふれるとシステムはこのメソッドを呼び出します。このメソッドはすべてのタッチを取得するので、その中から一つだけを取り出します。UITouchオブジェクトはMoveMeViewオブジェクトとPlacardViewオブジェクトのいずれでタッチイベントが発生したかと、その回数を調べるために使用されます。もし、ボタン外でダブルタッチが発生するとtouchesBegan:withEventメソッドはWelcomeボタンのもじれとを次の文字に入れ替えるためにsetupNextDisplayString:メソッドを呼び出します。また、ボタン内の場合にはボタンを拡大してタッチされた場所を追跡するためにanimateFirstTouchAtPoint:メソッドを呼び出します。他のイベントは無視されます。

Listing 6ではMoveMeViewクラスのtouchesMoved:withEvent:メソッドを示しています。指が触れて移動したときにシステムはこのメソッドを呼び出します。最初に指が触れた場所に関係なくこのメソッドは呼び出されますので、アプリケーションMoveMeではボタン内でイベントが発生しているかを調べ、その場合にはPlacardViewオブジェクトの中心を設定しなおし再描画しています。

Listing 7 ではtouchesEnded:withEvent:メソッドを示しており、指が離れるとシステムはこのメソッドを呼び出します。アプリケーションMoveMeではボタンを画面中央に戻すアニメーションを実行します。

アプリケーションのイベント取扱を簡素化するために、ボタンが元に戻るアニメーション期間中はViewのtouchesEnded:withEvent: メソッドを不可にしています。もし、不可にしないと、各イベント処理メソッドはボタンがアニメーション中であるかと、アニメーションのキャンセルを識別するコードが必要なります・・・などなど説明が書かれています。ボタンが元の位置に戻ると、MoveMeViewクラスのanimationDidStop:finished:メソッドがユーザからの入力を可能にします。

詳細は"iPhone OS Programming Guide"の "Event Handling"の項目を見ろと書いています。

・・・と、このページは意外と長くて、まだまだ続きます(笑)

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